(質問の回答)
野菜の栄養についての質問ですが調理とビタミンと栄養について説明をしたいと思います。 私たちが健康的な生活をするためには、5大栄養素+食物繊維が必要であります。5大栄養素とは、炭水化物、タンパク質、脂質であり、これ以外にビタミンとミネラルがあります。ミネラルは比較的、熱や酸などの影響を受けづらく安定した成分ですが、ビタミンは酸素や熱などに弱い特性があります。今回の質問にもありました野菜を調理する事でビタミンが損失して意味がないとの事ですが、おっしゃる通り調理による損失は大きいです。ビタミンには脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあり、脂溶性は比較的熱に対して抵抗性があり油などと一緒に調理する事で吸収効率がよく摂取する事ができます。しかし、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは熱や酸化に弱く、切った瞬間から破壊が始まり、加熱などにより全体の30%程度が損失すると言われています。そして、ビタミンCは水溶性ビタミンでもあり水に溶けやすく長時間こまかく切った野菜を水につけることでビタミンCは一気になくなってしまいます。
こんなビタミンCですが、私たちが毎日の食生活でビタミンCがどの程度摂取されているか調査報告があります。厚生労働省では5年に1度国民栄養調査を実施し、国民の栄養摂取状況について調べています。ビタミンCを含めたビタミン類は比較的摂取されており大きな欠乏の危険性はありません。これは、ビタミンCが様々な食品に酸化防止剤に添加されていたりビタミン入りの飲料などにも入っており食事と合わせて摂取する事によるものです。そうなると食事で野菜がいらない話になりますが、こちらも説明したいと思います。
(参照 ビタミンに関する詳しい情報)
ビタミンについて ビタミンの種類と栄養 ビタミンの過剰症 ビタミンの欠乏症 ビタミンの栄養所要量
ビタミンを効率よく吸収 ビタミン種類に合わせチャージ
ビタミンA ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 ビタミンC ビタミンD
ビタミンK ビタミンE
実は、厚生労働省では、私たちの食生活で一番欠乏しているものは食物繊維であると指摘しています。食物繊維は、炭水化物や野菜に多く含まれています。エネルギーにもならなければ、タンパク質みたいに体を構成したり、ビタミン・ミネラルなどみたいに代謝を促進したりもしません。しかし、食物繊維は、過剰の栄養素を吸収しないようにしたり、腸の調子を整えたりします。近代、食品の精度が高くなり純度の高い食品を摂取する事になり食物繊維の摂取量は減少しております。これと同じくしてガンや脂質異常症などの患者が増えております。ですので、食物繊維は第6の栄養素ともいえます。
以上のとおり、野菜はビタミンなどの供給源だけではなく、食物繊維の供給源でもあります。そして、果物や野菜には四季があり時期の素材を使う事で季節を感じ、食卓を楽しくします。今の時期ですと、キノコやクリなどでしょうか。ですので、色々な食材を上手に取り入れた料理で楽しい食事を演出するのも大切なことだと考えております。
(参考 食物繊維について)
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